自分の助言集をつくる
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納得したのは治療等体験した後だったということですが、これはある意味、体験したことで得られた『知』、『理解』といえるでしょう。たとえば、『抗がん剤治療の副作用として、脱毛、吐き気や嘔吐、味覚変化などがあります。』という情報を得ていたとしても、実際に体験するとどうだったのかは、体験してみなければわからない部分です。これに近い情報は、闘病記などから得られることがあります。ただし、同じ病気の段階で同じ治療をしたのだけれど、実体験として自分に起こった副作用と闘病記で読んだ副作用ではどこか違うと思うかもしれません。
このように体験から得られた知や情報は、個別性があるということも知っておく必要があります。また、病気や治療の情報が古いこともありますし、誤解や間違った理解で書かれている部分もあります。
病気や治療についてあらかじめ知識を得ておくのは意味あることですし、理解を助けます。ただし、情報を探すときの下準備、探し方、情報の限界等について知っておく必要があります。
現在は、本やテレビ、インターネットなどの様々な媒体を通していつでもどこでも情報は入手できる状況になってきています。一方で、氾濫している情報は、どれが正しくどれが間違っているのか、情報同士はどのようにつながっているのかなど自分で判断し、選択しなければなりません。
病気について知りたいとか、治療について知りたいという場合は、まず今自分はどういう状況なのかを整理します。これは、情報を自分に引き寄せて、自分にあった情報として咀嚼して、自分の状況、自分の治療を理解していく過程の第一歩です。
具体的には、自分が今わかっていること、理解していること、わからないこと、理解したいと思っていることなどを整理します。
たとえば、自分が今わかっていることを整理するとしたら
◎担当医からはこれまでに病気や治療・検査についてどういう説明があったのか、あるいは説明前か
◎がんと診断されたばかりなのか、治療を開始する直前なのか、治療終了後なのか
◎病気の進み具合などもわかっているのか
◎これまで行われた検査結果の説明から自分が今わかっている自分のからだの状況はどうなのか
などです。
本やインターネット等で流されている情報は、一般的な情報です。たとえば、○○がんは病気の進み具合で○段階にわかれていて、このうち○段階というのはどういう病気の状況で、その場合はこの治療が行われるというような情報提供がされているとします。
ただ、○○がんの治療というキーワードだけで探しても、情報量は多くて何が大切なのかもぼんやりあいまいになりやすいと思います。ここに、“自分のがんは○○がんで、細胞は○○細胞といわれたな、ステージはⅢaで、治療は・・・”と自分が担当医から説明を受けた情報にあわせて、入手していくと情報は絞られてわかりやすくなると思います。
情報を探す時に、注意しなければいけないのは
◎ 情報発信者が明確になっているか
◎ 情報は新しいものか
◎ 一方的に偏った情報ではないか (良いことばかり書いてあるなど)
◎ 科学的根拠に基づいた情報か
です。
インターネットを利用して情報を入手使用としている場合で、インターネットから情報を得ることに慣れていない場合や医療に関してほとんど知識がない場合は、まず公的機関が発信する情報を中心に情報を探しましょう。
日本では、国立がん研究センターがん対策情報センターの『がん情報サービス』をまずのぞいてみるのがよいかもしれません。
![]() (1)国立がん研究センター『がん情報サービス』:病名からさがす https://ganjoho.jp/public/cancer/index.html いろいろながんに関する基礎知識、検査、治療、療養に関する情報があります。 (2)がん情報サイト :PDQ日本語版(米国国立がん研究所のがん情報サービス) https://cancerinfo.tri-kobe.org/ がん情報サイトには、『PDQ最新がん情報』、『PDQがん用語辞書』、『NCCNガイドライン日本語版』などの情報があります。 『PDQ最新がん情報』は、治療(成人、小児)、支持療法と緩和ケア、スクリーニング(診断と発見)、予防、遺伝学的情報、補完代替医療の情報があり、それぞれ『患者様向け』と『医療専門家向け』の2つのボタンがあり、より詳しい情報は『医療専門家向け』から得られます。 |
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