自分の助言集をつくる
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治療を受けた時につらい経験をしてしまうと、次に治療を受けるための気持ちがくじかれてしまうことがあります。頭の中ではその治療が必要だということを理解し、受け入れようとしても、体が条件反射的に拒んでしまう、ということもあります。
つらい体験から治療を拒んでしまう今の気持ちを、無理に抑え込んだり、否定したりする必要はありません。どうしても治療に積極的になれない時には、その思いをまずは担当医や看護師に率直に伝えてみましょう。つらさをやわらげる工夫を試すことができるかもしれません。
また、具体的な改善をすぐに行うことが難しい場合でも、あなたの悩みをきちんと理解し、つらさをわかってくれる人がそばにいることを感じるだけでも、心強いものだと思います。
今後のこととして、何か治療を受ける際に“つらい”と感じた時には、つらさが限界まで高まる前に、担当医や看護師にそれを伝え、早目早目に対策をとってもらうようにしましょう。
患者さんの中には、『良い患者』であろうとして、“この程度の痛みや苦しみは、我慢しなければいけない”と思い込んでいる方も少なくありません。しかし、つらい時には、「つらい」と口に出して伝えてもらった方が、医療者も対応がとりやすいのです。
医療は、『病気を治す』ことに加えて、『患者さんのつらさをやわらげる』という点でも進歩しています。あなたからの意思表示があることで、具体的な対策をとることができることもあるのです。
遠慮せず、勇気を出して、自分の気持ちを積極的に伝えていくようにしましょう。
患者さんの中には“何とか自分で乗り越えなきゃ”“もっとひどい人が相談するんだろうな”と思われている方がいるかもしれませんが、こころの専門家に相談することをためらう必要はありません。
精神科、心療内科などを標榜している病院には、こころの専門家がいます。他にこころの専門の教育・研修を受けた、臨床心理士、リエゾンナース(精神看護専門看護師)といった多職種が、がん患者さんやご家族のこころのケアに携わっています。がん患者さんの心のケアを行う専門の科として、精神腫瘍科を設けている病院もあります。
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