自分の助言集をつくる
EPUB形式でダウンロード
印刷用表示
最先端の治療というのは、どういう治療をイメージされているのでしょうか。
たとえば、マスメディアなどで、まだ試験段階の保険外の治療や海外での治療等を最先端の治療として取り上げることがあります。
現在、一般的に実施されている治療は『標準治療』です。『標準』という語感から、一部誤解もあるようですが、標準治療は、現時点で、有効性と安全性が高いことが科学的に証明されている治療を言います。
治療効果や安全性を正しく証明するために、従来の治療法と新しい治療法を行い、その結果を比較して、優れていた方が標準治療となります。有効性と安全性が保証されている治療の中では、標準治療は最先端と言えます。
一方、保険適用外の治療ということは、まだ日本人にとって確立された治療ではないということです。確かに、体への負担が少ない治療、副作用が少ない治療、後遺症が残らない治療など、ご自身にとって、大きな利点を感じる治療を知る機会があったのかもしれません。こういう治療は、つい利点に目がいってしまいがちですが、欠点に関しても十分吟味する必要があります。
『臨床試験』とは、種々の治療法の有効性や安全性を確かめるための試験です。これは、治療効果が期待される新しく開発された治療法に関して、実際に人間の体に対してどの程度の効果があるのか、副作用はどの程度なのかなどをきちんと科学的に調べるために行われます。
ただし、有効性や安全性については、データの収集・分析を行っている途中の段階なので、保証されているわけではありません。
ですから、利点・欠点を十分理解して検討していく必要があります。
ご自分の治療に迷いが出たり、別治療の話を聞いて受けられないかと思った時、まずはあなたの体の状況を一番把握している担当医に相談してみることをお勧めします。
よりよい情報提供を行うために、ご意見やご感想をお寄せください。
いただいた評価やご意見・ご感想は、今後、このコンテンツ(情報のなかみ)に役立たせていただきます。
なお、個別の回答やご相談は、仕組み上できかねますので、お困りごとやご相談がある方は、下記「がん相談支援センター」をご利用ください。