自分の助言集をつくる
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人と人とが適切な関わりをもつには、意思疎通を図り、お互いを尊重する姿勢が大切です。患者さんと看護師の関わりも同様で、看護師は、患者さんが求めていることをきちんと受け止めることが大切ですし、患者さんも自分自身の思いを伝えたり、看護師の働きかけにこたえたりしなければ成立が難しくなります。
例えば、手術後の患者さんに対して、看護師が「さあ、歩きましょう」と促し、患者さんから「動けない」という返事だけでは、お互いの頭のなかの思いが通じません。
看護師は、術後早くから動くとどういう効果があるのかを説明していませんが、その理由が分かれば、患者さんは「動こうか」という気持ちになるかもしれません。患者さんが「痛みが強いから」と言葉を付け加えていたら、続いて看護師は、痛みの程度を尋ねるなど会話を重ね、お互いの思いを共有できたでしょう。
入院中、病気や治療によって、自由に体が動かせない場合には、看護師が身の回りの世話を行います。また、身の回りのことは自分自身で行えるけれど、治療が順調にすすむように、治療中の生活の注意点や対処の方法に関して、助言を求める患者さんもおられるでしょう。
病気を患ったときには、心身や生活面の何らかの援助を必要としますが、援助をする・受けるという立場に上下の関係性はありません。看護師に遠慮や気兼ねなく、あなたの思いを伝えて下さい。看護師は、患者さんやご家族から学ぶことがたくさんあるのです。
医師や看護師など病院のスタッフから言われたことに対し、傷ついたり、つらいと思う経験をされたりしたら、その場でその思いをはっきり伝えることが一番よいと思います。
その場で話しにくいようであれば、看護師長等に話したり、病院に意見としておっしゃっていただいてもよいと思います。
また、最近では、ご意見箱などを設置している病院も増えています。ただ、ご意見箱の場合、匿名も可能ですが漠然とした対象になり、本人にうまく伝わらないときもあります。
医療者が無意識に言っている言葉や態度が、患者さんにとってはつらいこともあります。残念ながら、当事者は患者さんがそういう思いをしたということを、言わなければ気づかないことがあります。もちろんお互いの誤解という場合もあります。ただ、そのままにしていると、誤解かどうかもわからないままになってしまう場合もあるのです。
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