自分の助言集をつくる
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まず、担当医に心臓の症状の原因、抗がん剤治療との関連、治療の継続と心臓の症状に関する気がかりをきちんと確認しましょう。自覚している症状について伝える際には、
◎ いつ頃から
◎ どういうときに(動いたとき、階段の上り下りのとき、眠っているとき、疲れたときなど)
◎ どのような症状があるのか(胸がどきどきする、脈が速くなる、脈が乱れる、胸が痛いなど)
◎ どのくらい症状が続くのか(しばらくじっとしていると落ち着く、1時間くらい続く、ずっと続いているなど)
などをきちんと伝えましょう。
抗がん剤のなかには、発生する頻度は高くはありませんが、副作用として心臓への影響がみられるものがあります。心臓の障害としては、不整脈、うっ血性心不全、虚血、伝導障害などがあります。自覚的な症状としては、息切れ、動いたときの息苦しさ、頻脈、胸痛などがあります。これらの症状があらわれた場合は、それが抗がん剤によるものかどうか注意深く鑑別します。
副作用で心臓への影響を起こす可能性のある抗がん剤(カッコ内は商品名)には、塩酸ドキソルビシン(アドリアシン)、パクリタキセル(タキソール)、イホスファミド(イホマイド)、フルオロウラシル(5-Fu)、トラスツズマブ(ハーセプチン)などがあります。これら心臓への影響の可能性がある抗がん剤を使うときには、まず使い始める前に、心電図や心エコーなど心機能をみる様々な検査を行い、高血圧や心血管障害がないかどうかなどもチェックします。また塩酸ドキソルビシンなどある種の抗がん剤では、心臓への影響を考え、使った抗がん剤の総量を計算し、一定の量を超えないようにしています。
そのうえで、治療開始後は、心臓への影響が出ていないか、検査や自覚症状を注意深くチェックしながら治療をすすめていきます。抗がん剤治療による心毒性の状況を評価しながら、抗がん剤治療の継続が可能かどうか判断していきます。
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