自分の助言集をつくる
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抗がん剤のお薬の種類によっては、口内炎が起こることがあります。これは、治療により、細胞分裂の活発な細胞を傷つけてしまうことがあるからです。この細胞分裂が活発な細胞のなかに、口やのどの粘膜もあります。
また、口内炎は、抗がん剤の影響で、骨髄抑制が起こり白血球が減少したときに、口の中で局所感染が起こり、感染が広がって起こることもあります。
口内炎を予防するために、大切なことは口の中を清潔に保つことです。口の中には、もともとたくさんの雑菌(細菌)が存在します。口の中やのどの粘膜がただれて痛み、歯磨きが十分にできなくなったりすると、口の中の雑菌が増えてしまい、傷ついたところから感染を起こし、さらに治りを悪くしてしまいます。
日頃から、口の中の清潔を保つために、うがいや歯磨きの習慣を身につけておきましょう。うがいは、のどの『がらがら』だけではなく、口の中で『ぶくぶく』とさせ、口の中全体に行き渡るようにしましょう。清浄作用や粘膜保護作用のあるうがい薬などを使用してもよいでしょう。また、歯垢がたまらないように、毎食後のブラッシングを行い、できれば舌もブラッシングしましょう。
口内炎ができてしまったら、自分でもよく観察し、痛みの状態や食事ができるかどうかなど担当医に伝えましょう。口内炎が起きたとき、担当医からお薬がでることもありますが、口内炎ができてしまってからも、やはり口の中を清潔にしておくことが何より大切です。歯ブラシが固い場合は、やわらかい歯ブラシにかえてみましょう。また、口内炎ができると、ポビドンヨードのうがい薬はしみることがありますので、しみるようであれば、消炎・粘膜修復効果のある水溶性アズレンのうがい薬にかえてもらってもよいでしょう。
また、食事は刺激の強い食品、酸味の強い食品や熱いものも避けたほうがよいでしょう。口内炎がひどいときは、食事もとりにくくなることがありますが、栄養をとっていくことも粘膜が再生していくために大切です。
食べやすいようにやわらかく調理し、細かく刻んだり、ミキサーにかけたり工夫して、できるだけ口から食べるようにしましょう。
市販のスポーツ飲料や高カロリー飲料などを利用してもよいでしょう。
1. 食べやすくなる工夫
(1) 水分が多くやわらかい、口当たりのよい食品をとりましょう。
(2) 少量の油脂類を加えると飲み込みやすくなります。
(3) あんかけやソースにからめるなど、水分にとろみをつけると食べやすくなります。
(4) 誤嚥の心配がある時は、食品の形態や水分に注意が必要です。(増粘剤などを利用しましょう)
(5) 食事は飲み物や汁物とセットで食べるとよいでしょう。
(6) 食事は人肌程度がよいでしょう。
(7) 痛みが強い場合は、食品の形態をゼリー状やピューレ状、流動食にしてみましょう。
(8) 味付けがしみるような場合は、薄味にしましょう。
2. 控えたほうがよいもの
熱い・辛い・すっぱいなどの刺激の強い食品、かたく乾燥した食品
酸味の強いくだもの、甘みの強い飲み物
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