「がん体験者の悩みQ&A」では、2003年と2013年に実施した全国調査結果を整理して構築したがん体験者の悩みデータベースを公開しています。このデータベースに基づき、がん体験者の方々の悩みや負担をやわらげるための助言や日常生活上の工夫などの情報ツールの作成等を行っています。
なお、個別の回答やご相談は、仕組み上できかねますので、お困りごとやご相談がある方は、お近くの
「がん相談支援センター」をご利用ください。
受けた治療(選択)が正しかったか
今の治療方法がベストなのか、治る可能性があるのか不安が募った。
17件の体験者の声があります。
- (患者本人、60代、女性、乳房、2003年版)本当にこの治療がいいのか、自分の身体に合うのか恐かった。
- (患者本人、50代、男性、その他のがん、2003年版)本当にこの治療法がベストなのか、このほかに良い治療法がなかったのか不安になる。
- (患者本人、40代、女性、乳房、2003年版)治療の選択が良かったのか考える。
- (患者本人、40代、女性、乳房、2003年版)診断時点、手術直後よりはいろいろ知識を得た頃に、自分の受けている治療が適切かどうか疑問が湧き、そのために主治医に対する信頼も揺らいだことがあった。
- (患者本人、50代、女性、乳房、2003年版)乳がんに関して全く無知だったので、本を読んだり仲間の話を聞いて、この手術法でよかったのかどうか悩んだ。
- (患者本人、60代、女性、子宮、2003年版)本当に今現在の状況で良いのか、受けた治療は正しかったのか、本当に必要だったのかといった、何か漠然としたもやもやした不安がある。
- (患者本人、50代、男性、その他のがん、2003年版)本当にこの治療法がベストなのか、このほかに良い治療法がなかったのか悩む。
- (患者本人、50代、女性、乳房、2003年版)治療法の適否について悩む。
- (患者本人、50代、男性、悪性リンパ腫、2003年版)医者が医学は進歩してきているが、今行っている治療がベストであるかどうか心配だ。
- (患者本人、50代、男性、肝臓、2003年版)完治するにはどんな薬、方法があるのか、治療方法は今現在、本当に自分に適合しているのかどうか不安だ。
- (患者本人、40代、女性、乳房、2003年版)本当に今の治療方法で病気は良くなるのだろうか。
- (患者本人、30代、女性、乳房、2003年版)いろんな治療があっていろんな医師がいるので、今現在自分の治療でいいのかという不安がある。医師とゆっくり話なんてできないので不安が募る。
- (患者本人、40代、女性、胃、2003年版)現在治療中だが本当にこれで治るのか不安だ。
- (患者本人、60代、男性、肺、2003年版)いつまで生きられるのか、今の治療方法がベストなのか、治る可能性があるのかはっきりしたい。
- (患者本人、70代、男性、前立腺、2003年版)現在の治療がベストなのかと心配だった。
- (患者本人、40代、男性、胃、2003年版)主治医の治療が適切なものであるか、がんの情報は巷にあふれているのに自分のがんに限って充分得られないもどかしさがあり、絶えず不安がつきまとった。セカンドオピニオンが欲しいと思った。
- (患者本人、60代、男性、肺、2003年版)現在の治療がベターなのか、統計数値に具体性がなく、自分に該当するのか判断できない。
手術後抗がん剤治療を受けないことを選択したが、しばらくそのことが不安の原因になった。
3件の体験者の声があります。
- (患者本人、50代、女性、乳房、2003年版)手術後リンパ節への転移は認められないと説明を受け、抗がん剤治療を受けないことを選択したが、しばらくそのことが不安の原因となった。
- (患者本人、50代、女性、乳房、2003年版)手術後薬物療法をしなかったことを悩む。
- (患者本人、60代、女性、大腸、2003年版)手術後2年間の抗がん剤の服用を勧められたが副作用が多いのは嫌だと断った。それでよかったのかと悩んでいる。
手術を受けてよかったのか、それとも受けなくて薬での治療が良かったのかと悩んだ。
2件の体験者の声があります。
- (患者本人、50代、女性、肺、2003年版)外科手術を受けてからの診断で、手術を受けてよかったのか受けなくて薬でよかったのか分からなかった。
- (患者本人、40代、女性、乳房、2003年版)自分が今まで受けた治療方法は正しかったのか悩む。手術したとき抗がん剤治療で行ってもらえばよかったと後悔した。
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あなたの体や病気は、ほかの人の体や病気とは、多かれ少なかれ違いがあります。同じ治療を受けても、結果が同じになるとは限りません。あなたは、いろいろな条件の制約の範囲内で、あなたができる最善の選択をしてきたはずです。
もし、今のあなた自身の状況に満足できない点があったとしても、そのことで後悔したり、自分を責めたりする必要はありません。
治療を選択するというのは、とても難しいことです。特に、がんと診断された動揺や混乱が残っているなかで治療を選択せざるをえないときは、余計に迷い、治療を決めた後から、“でも、本当にこれでよかったのか”という思いが残ることがあります。
また、再発や転移があると、“もし、あの治療を選んでいたら”と思ってしまうかもしれません。
がん体験者の悩みや負担に関する大規模な実態調査を実施した結果でも、多くのがん体験者が『再発・転移の不安』を抱えていました。この『再発・転移の不安』は、病状、治療経過、治療の効果などに関係なく抱いている方が多いということも、調査の結果わかりました。
この『再発・転移の不安』が、“でも、本当にこれでよかったのか”という思いにつながる部分もあると思います。
思い返してみましょう。
あなたは、少なくとも治療を決める時点では、自分なりに納得して受けた治療だと思います。
気持ちを切り替えて、今後、自分がどのように病気や治療を受けてからのさまざまな変化に向き合っていけばよいのかを考えていきましょう。
また、“これで、よかったのだろうか”、“もっとよい治療方法があったのではないだろうか”などの思いは、治療を受けている時間のなかでさまざまなつらさが少しずつたまってきたときに起こることがあります。
副作用などの体のつらさを伴う治療を長い間受けていると、体のつらさだけではなくこころも疲れてきて、うまく体とこころのバランスがとれなくなることがあります。そして、こころのつらさは、少しずつたまってきます。からだがつらいと、こころもマイナスの方向になりがちです。
こころのつらさをやわらげるためにも、時々たまってきたつらさを外に出してあげる必要があります。こころの中のつらいと感じていることを、言葉にして出してガス抜きをすれば、きっとこころの負担が軽くなります。
おかかりの病院の相談室や全国のがん拠点病院に設置されている『がん相談支援センター』の相談員に相談してみるとよいでしょう。がん相談支援センターの情報は、『国立がん研究センター がん情報サービス』で確認することができます。なお、相談支援センターの名称は医療機関によって異なる場合があります。
人に話をすることで、自分の頭の中を整理できたり、なぜ、こんなふうに思ってしまったのかとそのきっかけがわかったり、問題を整理して、今、自分がどのようにしたらよいかが見つかることもあります。
(最終更新日 2024年6月10日)
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