自分の助言集をつくる
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自分に万一のことがあることを考えて、情報を得たり、準備をしたりすることは、特別なことではありません。身の回りの整理は、自分を振り返り、見直す機会や、自分にかかわるさまざまな状況を確認しておくことが安心につながることもあります。こころが落ちついて病気と向き合う力になったという方もいらっしゃいます。
ただ、ご家族は死に関することなどを話すと、「そんなことは言わないで」とおっしゃるかもしれません。けれども、死後のことは、ご家族あってのことです。気がかりを整理しておきたいというあなたの気持ちを伝え、協力してもらいましょう。
また最近では、遺言書のような法的なものではありませんが、『エンディングノート』といって、万一の時に備えて項目ごとに整理しておくことのできるノートもあります。
【医療保険、がん保険、生命保険など】
実際治療を受けるとき、療養するときにも役立ちますので、表などにして整理しておくとよいでしょう。
◎自分が入っている医療保険、がん保険、生命保険などの種類、特約の有無
◎保険期間(定期型、終身型など)
◎給付金の種類や金額、給付の条件(医療保険やがん保険などの場合、診断給付金があるか、受け取れる回数、退院給付金や通院給付金があるかなど)
◎保障対象(上皮内新生物も対象となっているか、部位の制限はないかなど)
◎手続きの仕方、手続き時に準備するもの、手続きの時期などの確認
◎相談窓口(加入している保険の連絡先)
この表は、保険証書とは別の場所に保管しておきましょう。
【貯金】
◎銀行名、預金の種類、名義、口座番号などを一覧表にしておく
◎通帳、登録している印鑑
【重要な連絡先】
特に友人、職場関係の連絡先は、家族でもわからない場合があるので、どういう関係かなども整理しておきましょう。連絡先を整理しておくと、治療などで動けないときにご家族に代わりに連絡してもらう際にもわかりやすいでしょう。
【不動産登記書】
◎自分名義の持ち家の場合、権利証
◎借家の場合、賃貸契約書
【クレジットカード】
手持ちのクレジットカードは、緊急時の連絡先、番号、パスワード等一覧表にしておきましょう。ただし、パスワードなど大切な情報なので、きちんと管理できるところに保管しましょう。
【遺言書】
あなたの願いがきちんと伝わるように、遺言書を作成してもよいでしょう。法的に効力のある遺言書を作成するには、一定の書式や手続きが必要です。書籍等も出版されているので、参考にされてもよいでしょう。
また、遺言書の作成について相談にのってくれる専門家として、行政書士がいます。
【葬儀とお墓】
葬儀についての考え方は、人それぞれ、あるいは地域、家等で異なりますが、最近では、葬儀の種類も増え、形式にこだわらない自分なりの葬儀を考える方も増えています。
葬儀には、仏式・キリスト教式・神式の葬儀、直葬(葬儀は行わずに火葬だけで見送る)、家族葬(家族や親しい人のみで行う葬儀)、市民葬・区民葬(自治体が提供している低価格で簡素な葬儀)、自由葬(形や決まりはなく、自由な発想で行う)、生前葬(本人が生きているうちに行う葬儀)などもあります。
葬儀については、葬祭業者に相談されるのが良いと思います。お住まいの地域の葬祭業者については、電話帳やインターネットで調べることができます。
また、加入している健康保険等からも埋葬をするための費用が支給されます。健康保険の場合、被保険者本人が死亡した場合は埋葬料が、扶養者が死亡した場合は家族埋葬料が、それぞれ5万円を上限に支払われます。国民健康保険の被保険者が亡くなった場合も、申請によって自治体が定める葬祭費が支給されます。詳しくは、保険証に記載のある保険者にお問い合わせください。
お墓は、公営霊園、民間霊園、寺院墓地(檀家が使用)などがあります。お墓を建てる場合にかかる費用は、墓石費用、永代使用量、管理費などがかかります。お墓については、檀家となっている寺等に相談するほか、公営霊園を運営している市区町村、民営霊園、石材店等でも相談にのってもらえると思います。
この他にもエンディングノートには、あなたが伝えたいことを考え整理しておくことができます。
(最終更新日 2024年6月10日)
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