4東病棟
1) 血液・幹細胞移植科では、白血病・悪性リンパ腫・多発性骨髄腫など血液疾患の患者さんが入院している病棟です。そのため病棟は、手術室と同じくらいのクリーン度を維持するため2重扉を通って入棟するので抵抗感があるかもしれませんが、棟内においては免疫力が低下している患者さんの行動範囲を可能な限り広く保てる環境になっています。
2) 治療の特殊性により、長期間の入院患者さんが多いことが病棟の特徴の一つです。多忙な毎日ですが、そのなかでもスタッフはお互いを思いやり、協力しながら、明るく仕事に励んでいます。
治療・看護の特徴 | 学べる看護 |
造血器悪性腫瘍の治癒を目指す積極的治療に取り組んでいます。造血幹細胞移植療法は年間40例~50例行われています。同種及び自家移植前後の看護を集中して学ぶことができます。また、血液がんを対象とした化学療法も数多く実施しています。実践からスキルアップにつなげることが可能です。 | ・同種及び自家移植前後の看護 ・化学療法による副作用の管理及び患者への指導 ・免疫力の少ない患者の感染管理や、セルフケア向上のための指導 ・他科では使用することが少ない多種・多様な抗菌薬や抗ウィルス薬の知識や投与管理 ・多職種と協働するチーム医療の実践 |
部署の重点的な取組と成果
取組 | 内容 | 成果 |
超過勤務の削減 | ・移植を受けた患者の記録・化学療法・輸血記録の簡略化 ・スタッフ全員が補完できる取り組み |
・必要な標準看護計画を全て作成 ・記録テンプレートの活用による記録時間の短縮・記載内容の統一ができた |
スタッフへの知識の共有 | ・スタッフ主催による勉強会の定期開催 ・急変にも対応できる人材の育成 ・業務マニュアルの修正を行い、患者ケアへの統一化 ・病棟で使用する抗がん剤マニュアルの整備 |
・勉強会による知識の共有が図れる ・急変トレーニングを定期的に実施 ・業務マニュアルの修正により、スタッフへの教育の統一化ができた ・新たに使用する抗がん剤でも、患者さんへ安全に投与することができ、観察ポイントや知識の統一化が図れ、インシデントの削減につながっている |
病棟の雰囲気
1)病棟に所属している看護師は、新人から10年以上血液内科に携わっている看護師がおり経験年数は様々
ですが、分からない事はその都度教え合ったり、必要時には勉強会を開催したりしています。また新薬など使用する際には、化学療法の認定看護師や薬剤師などがスタッフに周知できるようにしています。
2)医師・多職種との関わり
医師とは平日の朝にカンファレンスを行い、患者の状況や処置・注意点などを話し合っています。また、毎週火曜日は多職種で定期カンファレンスを開催しています。定期カンファレンスでは、医師・病棟看護師・歯科医師・歯科衛生士・薬剤師・心理療法士・理学療法士・栄養士・MSWらが参加し、入院中の患者さんの状況や方針を情報共有します。同種移植を控えている患者さんがいる場合は、担当医師が前処置を含めたスケジュールを作成し、それぞれの職種がどのように関わっていくか確認し合います。病棟看護師が主な調整役となり、それぞれの職種が専門領域の役割を発揮することで、移植により生じる様々な問題にチームとして対応しています。病気になったことで生じるさまざまな不安や問題解決を支援するため、チームで患者さんを支えることを大切に考えています。
3)部署の教育
部署では教育方針を新人教育係と継続教育係とに分けています。新人教育は新卒看護師を担当し、継続教育係は既卒採用者や卒2看護師を担当し、一般的な化学療法を行う患者さんや自家・同種移植を行う患者さんを受け持てるよう支援をしています。また、他のスタッフもその都度指導を行い、必要な情報は該当教育係へ共有するようにしています。