10東病棟

部署紹介

 婦人科と消化器内科の病棟で、10代から90代まで幅広い年代の女性患者さんを看ており、患者さんひとりひとりの背景や家庭・社会での役割を大切にした看護を行っています。また、診断から治療期、終末期まで、がん治療における全過程の患者さんが対象であり、それぞれの患者さんの治療過程や気持ちの変化に寄り添った看護を大切にしています。
10階は女性フロアであり、病棟・病室の配色は女性らしいやさしい桜色を取り入れています。

治療・看護の特徴

学べる看護

【婦人科がんの手術療法、がん薬物療法、放射線療法、緩和治療】
婦人科がん(主に子宮頸癌、子宮体癌、卵巣癌など)に対し、開腹手術、腹腔鏡下手術、ロボット支援下手術が行われます。一般的な周術期合併症に加え、卵巣欠落症状(更年期障害様の症状)や排尿障害、リンパ浮腫といった婦人科手術特有の合併症に対し、身体面と精神面のケアが必要となります。自己導尿やストマ管理は、患者さんの理解や受容状況、生活背景など個別性を意識して指導を行っています。
がん薬物療法においては、社会生活を送りながら治療を継続するケースが多いため、社会での役割やQOLを維持・向上できるよう、短い入院期間に自宅でのセルフケアが行えるよう支援しています。
放射線療法は治療中の副作用症状だけでなく、晩期症状にも着目してセルフケア支援を行っています。また、腔内照射や組織内照射は疼痛や羞恥心を伴うため、不安や苦痛を軽減できるよう看護しています。
終末期には、患者さんの心身の苦痛緩和とともに、ご家族にとっても最期の時間を大切に過ごせるよう努めています。
どの治療においても、多くの場合、女性生殖器やその機能を失うこととなり、喪失感や家族・パートナーへの罪悪感を抱くことがあります。その気持ちを汲み取り、家族を含めて問題解決できるよう看護していくことを大切にしています。
【消化器がんのがん薬物療法、緩和治療】
 消化器がんの代表的ながん薬物療法や終末期の看護を行っています。安全で安楽な治療を受けられるよう支援しています。

・婦人科がんの周術期看護
・婦人科がん・消化器がん
のがん薬物療法看護
・婦人科がんの放射線療法
看護
・婦人科がん・消化器がん
の緩和ケア
・自己導尿の指導
・リンパ浮腫の指導
・ストマ管理の指導
・HPN(在宅中心静脈
栄養法)の指導
・在宅療養支援
・家族看護

部署の重点的な取組と成果

取組 内容 成果
外来・病棟・在宅の
連携
毎週水曜日にカンファレンスを開催し、外来・病棟・在宅を行き来する患者さんが滞りなく治療・生活できるように、患者さんの情報共有・情報交換を行う 各々の立場・視点から問題点や気がかりを挙げてカンファレンスすることで、切れ目なく必要な看護を提供できている
チーム力の強化 ・毎日チームカンファレンスを開催する
・毎月チーム会を開催する
看護の質の向上とスタッフ教育の2点を目的とし、チーム活動が活発になった
入院時記録(手術療法・がん薬物療法)のテンプレート化 手術療法やがん薬物療法を受ける患者さんの入院時記録のテンプレートを作成した 必要な情報を漏れなく記載でき、記録時間の短縮にもつながった

部署の雰囲気

1)どのような看護師が所属しているか(スタッフの雰囲気や経験年数など)
・看護師26名(卒後1-3年目25%、卒後4‐10年目25%)
・女性フロアのため、看護師も女性のみで構成されています
・コミュニケーションを取りやすい環境をめざし、お互いが話しやすく相談しやすい雰囲気を心がけています
2)医師、他職種との関わり
・婦人科医師8名:話しやすく相談しやすい先生方と協働しています
・リハビリテーション科スタッフ:術後リンパ浮腫の対応やADL維持・改善のためのリハビリなどで 介入するときに患者さんの状態を細やかに情報共有しています
・臨床心理士:特に不安が強い患者さんへの心理サポートをしていただきます
・CLS:小さなお子さんがいらっしゃる患者さんに説明の仕方や対応など アドバイスをいただきます
・多職種チーム:緩和チーム、小児科家族支援チーム、せん妄対策チームなど

3)部署での教育
・新卒看護師は、クリニカルコーチやサポーターを中心に、専門知識・技術などの学習面や職場適応・精神面のサポートを行っています
・部署で必要な専門知識を深めるために、医師・認定看護師・薬剤師などに講師を依頼し、計画的に勉強会を開催しています

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